レチシンは大豆に含まれる記憶力を高める栄養素

大豆レチシンで理解力を強力アップ

私たちは、毎日大量な情報を入手し、判断し、対応しています。
じっとして、特に意識しなくても、、脳は活発に働いています。常にベストな判断、対応をするためには、入手した情報を理解する力がとても大切です。

 

理解力のベースになるのが、入手する情報を整理し格納する記憶力。
その記憶力を高めると考えられている栄養素が、大豆に含まれるレチシンです。

 

脳には千数百億個もの神経細胞(ニューロン)があり、複雑で巨大なネットワークをつくっています。
また、神経細胞の10倍もあるグリア細胞は、神経成長因子や栄養因子などを分泌し、神経細胞に栄養を供給するなど、神経細胞の維持や再生をサポートしています。
このグリア細胞はレチシンを大量に含んでいることがわかっています。

 

脳の中でも特に理解力にとって大事な海馬の働きには、神経伝達物質であるアセチルコリンの合成が重要だということがわかっていますが、アセチルコリンは、直接脳に入れないので、そのまま取っても脳のエネルギーになることができません。
ですから、体内の代謝によりアセチルコリンを生成できる脂質、レチシンを取ることが大切になります。そのレチシンを豊富に含む食品が大豆なのです。

 

 

豆腐は世界へ発信されたジャパニーズヘルシーフード

豆腐は水に浸してから柔らかくした大豆をすりつぶし、こして豆乳にし、にがりなどで固めたものです。
豆腐には「もめんごし」と「きぬごし」があります。

 

「もめんごし」は、一旦豆乳を凝固させてから崩し、布を敷いた型に入れて重しをのせて固めたものです。
豆乳全体をそのまま固めたものが「きぬごし」です。

 

タンパク質が豊富で消化吸収が良く、水分も多く含んでいるので脱水症状の予防にもなり、夏バテなどにも効果的です。
タンパク質やカルシウムは「もめんごし」の方に多く含まれ、ビタミンやマグネシウムは「きぬごし」の方に多く含まれます。

 

僧侶たちにとって大事なタンパク源だった大豆は、精進料理のメニューにも欠かせません。

 

低カロリーで良質なタンパク源となる「TOFU」は、「畑の肉」とも呼ばれ、自然食ブームの影響もあって世界に広がり、豆腐ステーキ、豆腐アイス、豆腐チーズケーキなど、欧米のメニューにも応用されています。

 

納豆のナットウキナーゼで脳にもサラサラな血液を

納豆には、もちろん大豆レチシンがたくさん含まれています。さらに、アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンKなどの栄養素に至っては、原料である大豆のときよりも大幅に増加していることがわかっています。

 

脳が正常に機能するためには、栄養素はもちろん、十分な酸素や血液も必要です。
納豆に含まれる酵素、ナットウキナーゼは血管の中にできる血液の塊を溶かす効果があるので、サラサラで健康な血液を脳に送り込むことができます。

 

卵黄にもレチシンは多量に含まれていて、アセチルコリンの合成に不可欠なビタミンB12も多く含みます。
納豆卵かけご飯は、ナットウキナーゼ、レチシン、ビタミンB12のトリプル効果で、脳にサラサラの血液を送り込み、記憶力、理解力、判断力などをアップさせる手軽なパワーメニューです。

 

納豆は、ナットウキナーゼなど特殊な栄養素を含む効能の高い食品ですが、抗血液凝固剤を服用中の方などは、マイナスに働く場合もあるので、体質・体調などによっては、専門家の指導を受けた上での摂取をおすすめします。

 

 

 

豆類は頼りになる愛されマルチフード

 

大豆だけではなく豆類は、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類など、栄養素が豊富です。
それぞれにも特徴があり、例えば大豆を未成熟のうちに収穫したえだ豆は、ビタミンCやカロテンなど、大豆いなるとなくなる栄養素が豊富で、体調を整える効果があります。

 

グリーンピースには、脳を活性化し、集中力を高めるリジンが含まれますし、そら豆の皮には、神経刺激作用のあるチラミンの原料となるチロシンが含まれます。

 

ひよこ豆は、疲労回復に効果のあるビタミンB1が豊富。

 

豆類は、さっとゆでてサラダにしても、見た目も可愛く、それぞれが体や脳にとって大切な栄養素を持つ、「愛されマルチフード」です。

 

また、豆類は大変栄養価の高い食品ですが、大豆は食べ過ぎると体を冷やすなど、過剰摂取がマイナスに働くものもあるので、体質・体調などにより、適度な摂取を心がけてください。